社会保険労務士ブログ

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2007年02月

労働契約法案について2

社労士のTです。

前々回からの続きで、労働契約法案の2回目です。

4.労働契約の継続
(1)使用者が労働者に出向(在籍型出向)を命じることができる場合において、その出向が、その必要性、対象労働者の選定状況その他の事情に照らして、その権利を濫用したものと認められる場合には、出向の命令は無効とするものとすること。

(2)使用者は、労働者と合意した場合に、転籍(移籍型出向)をさせることができるものとすること。

(3)使用者は、労働者を懲戒することができる場合において、懲戒に係る労働者の行為の性質及び態様その他の事情を照らして、当該懲戒が、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とするものとすること。

5.労働契約の終了
解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とするものとすること。
※労働基準法第18条の2の条文を労働契約法にうつしたものです。

6.期間の定めのある労働契約

(1)使用者は、期間の定めのある労働契約について、やむを得ない事由がないときは、その契約期間が満了するまでの間において、労働者を解雇することができないものとすること。
※民法628条で、「当事者が雇用の期間を定めた場合であっても、やむを得ない事由があるときは、各当事者は、直ちに契約の解除をすることができる。この場合おいて、その事由が当事者の一方の過失によって生じたものであるときは、相手方に対して損害賠償の責任を負う」とあります。
この条文では、「使用者が労働者に対して契約の解除」をすることができないことを規定しており、労働者が契約の解除できないことは規定されていません。しかしながら、この労働契約法では労働者から契約の解除しても問題ないと考えられますが、民法上は、期間の定めのある契約の場合、労働者から解除した場合はその損害賠償の責任を負うものとされるのではないでしょうか。

(2)使用者は、期間の定めのある労働契約について、その締結の目的に照らして、必要以上に細分化された契約期間で反復して更新することのないよう配慮しなければならないものとすること。

7.施行期日等

(1)この法律は、公布の日から起算して3ヶ月を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。
ただし、労働基準法89条に定める就業規則の記載事項に出向に関する事項を追加することについては、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するものとすること。

(2)労働基準法第89条に定める就業規則の記載事項に出向に関する事項を追加すること等の労働基準法の関係規定についての改正をおこなうほか、関係法律の規定について所要の整備をすることとされています。

イースリーパートナーズ社労士事務所

労働契約法に関して

社労士のTです。

労働契約法案要綱の2回目にはいる前に、私見を述べてみたいと思います。

労働契約法は何のために作ったのでしょうか?

この法案は、判例で確定されて踏襲され続けているものを条文化しただけです。
つまり、非常に抽象的に載せているだけで、全く具体的なものは見当たりません。

何が言いたいかというと、この条文を見ただけでは専門家以外は具体的にこの案件はどうなのかという基準が全く示されておらず、全て解釈によるということです。

「合理性」「相当」という言葉を、使わないでいただきたいと願う次第です。この言葉が紛争の原因です。

このような法案なら、私なら1日もかからず何の議論もする必要もなく全く同じものを作れます。


イースリーパートナーズ社労士事務所

労働契約法案要綱について

社労士のTです。

労働契約法案要綱について2回に分けて記載します。

1.労働契約の成立及び変更

(1)労働契約は、労働者が使用者に使用されて労働し、使用者がこれに対して賃金を支払うことについて、労働者及び使用者が合意することによって成立するものとすること。

(2)使用者が合理的な労働条件が定められている就業規則を労働者に周知させていた場合には、労働契約の内容は、その就業規則の労働条件によるものとすること。ただし、労働契約において労働者及び使用者が就業規則の内容と異なる労働条件を合意した部分については、「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める就業規則」に該当する場合を除き、異なる労働条件によるものとする。
※ここでは、「合理的な労働条件が定められている」ということと「周知させている」ということに注意が必要です。

2.労働契約の内容の変更

(1)労働者及び使用者は、その合意により、労働契約の内容である労働条件を変更することができるものとすること。

(2)使用者は、労働者と合意することなく、就業規則を変更することにより、労働者にとって不利益に労働条件を変更することはできないものとする。ただし、(3)による場合は労働者にとって不利益な労働条件の変更もできるものとする。

(3)使用者が就業規則の変更により労働条件を変更する場合において、変更後の就業規則を労働者に周知させ、かつ、就業規則の変更が、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等との交渉の状況その他の就業規則の変更に係る事情に照らして合理的なものであるときは、労働契約の内容である労働条件は、変更後の就業規則に定めるところによるものとすること。
ただし、労働契約において、労働者及び使用者が就業規則の変更によっては変更されない労働条件として合意していた部分については、「就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約」を除いて、変更されない労働条件とすること。
※就業規則の不利益変更法理を条文化したものです。判例でも「変更された規則条項が合理的なものである場合は、個々の労働者においてこれに同意しないことを理由として、その適用を拒むことは許されないもの」(秋北バス事件)とされており、紛争となった場合には、使用者は就業規則に合理性があることを主張していくことになり、一方労働者は、合理性の評価障害事実を主張していくことになります。
この条文で一番大切なことは、合理性の基準が問題となるということで、この条文では、労働者の受ける不利益の程度、労働条件の変更の必要性、変更後の就業規則の内容の相当性、労働組合等のとの交渉の状況、その他の就業規則の変更に係る事情に照らすとしています。判例では、この合理的判断の枠組みと基準を集大成したものとして、「第四銀行事件」があり、先の条文はこの判決を引用したものです。個々の具体的な合理性については、先の「秋北バス事件」「第四銀行事件」「タケダシステム事件」「大曲市農協事件」「ノイズ研究所事件」など個々において判断されますが、それが、賃金や退職金の変更の問題なのか、或いは、労働時間などの問題であるのか、また、単に福利厚生の問題であるのかによって大きく違ってきます。

3.就業規則に関する事項等

(1)就業規則で定める基準に達しない労働条件を定める労働契約は、その部分については無効とするものとすること。この場合において無効となった部分は、就業規則で定める基準によるものとすること。

(2)就業規則が法令又は労働協約に反する場合には、当該反する部分については、就業規則を周知させていたとして適用せず、変更後就業規則が合理的であっても適用しない。労働協約で定められていた条件が就業規則で定められている条件よりたとえ低くても労働協約が有効になるということです。

イースリーパートナーズ社労士事務所


雇用保険法の改正法案

Hです。

 
 2月18日の日経新聞掲載記事よりですが、厚生労働省は今通常国会に雇用保険法の改正法案を提出、近く雇用保険制度は大幅に改正される見通しです。法案が通過すれば、教育訓練給付を支給する加入期間の下限は初回のみ緩和(三年から一年に)される一方、給付金の支給要件は一本化(費用の20%、上限10万円)される予定。つまり加入期間が5年以上の人にとっては給付金が減ることになってしまうわけです。施行時期はまだ未定ですが、今が制度の駆け込み時となりそうです。他高年齢雇用継続も2012年度以降に段階的に縮小、廃止する方針を固めている。いずれも制度自体をご存知無い方もいらっしゃるかと思いますが制度を正しく理解して早めに活用していただければと思います。

イースリーパートナーズ社労士事務所

スキーバス事故

社労士のMです。

先日、吹田でスキーバスの事故がありました。事故原因は居眠り運転でした。
運転手は21歳で大型バスの運転の経験も浅いうえに、途中からは交代もなく、一人で運転しており、過重労働だったと報道されていました。
スキーバスは夜間に走行することが多いと思うのですが、今回のスキーバスも深夜に走行していたようです。

この報道を知ったときに、あれっ?と思ったことがあります。
死亡したアルバイト添乗員は16歳だったそうですが。。。労働基準法では18歳未満の年少者の深夜労働(午後10時から午前5時)を禁じています。
例外は交替制で使用する16歳以上の男性、災害によって緊急に労働させる必要がある場合等です。
では、亡くなられた16歳の添乗員の方は深夜労働にあたらないのだろうかと思ったのです。
家族従事者ならよいのだろうか?(添乗員はバス会社の社長の息子さんでした。)
添乗員は例外にあたるのだろうか?
そこで、労働基準監督署に確認してみました。
まず、バスの添乗員は例外とは認められないので16歳の添乗員は深夜バスでの労働はできない。
次に家族従事者でも労働者性がある場合は例外とは認められないのでこの場合も深夜労働はできないとのことでした。

最近は格安なバスツアーがたくさんあり、大変な競争になっているようです。
安くするために人件費を削り、その結果過重労働や労働基準法違反するようなことが起こります。
企業も大変だと思いますが、安全を確保するためにも労働基準法を遵守し、こんな事故が起こらなければいいなと思います。

労働基準法の一部を改正する法律案

社労士のFです。

「労働基準法の一部を改正する法律案」の3回目です。

4.企画業務型裁量労働制
(1)中小企業については、労使委員会が決議した場合には、現行において制度の対象とされている「事業の運営に関する事項についての企画、立案、調査及び分析の業務」に主として従事する労働者について、対象となった業務以外も含めた全体についてみなし時間を定めることにより、企画業務型裁量労働制を適用することができるものとされています。
(2)企画業務型裁量労働制の現行における対象労働者の労働時間の状況及び健康・福祉確保措置の実施状況に係る定期報告が廃止となります。

施行期日
2(有給休暇)については、平成20年1月1日から施行されます。
1(時間外労働)及び3.4(自己管理型労働制、企画業務型裁量労働制)については、公布の日から起算して1年を超えない範囲内において政令で定める日から施行ということで、具体的な施行期日がわかれば、記載したいと思います。

イースリーパートナーズ社労士事務所

労働基準法の一部を改正する法律案

社労士のFです。

「労働基準法の一部を改正する法律案」の2回目です。

3.自己管理型労働制
(1)労使委員会が設置された事業場において、委員の5分の4以上の多数により(4)に掲げる事項について決議をし、かつ、使用者がその決議を行政官庁(労働基準監督署)に届出た場合において、(3)に該当する労働者を労働させたときは、労働時間、休憩、時間外及び休日の労働者並びに時間外、休日、深夜の割増賃金に関する規定は適用しないものとする。なお、(2)の休日に関する規定はそのまま適用されます。

(2)使用者は(1)の労働者に対しては、4週を通じて4日以上かつ1年間を通じて104日以上の休日を確実に確保するものとし、確保されなかった場合には罰則が付されます。

(3)対象労働者は次のいずれにも該当する労働者です。
・労働時間では成果を適切に評価できない業務に従事するものということです。
・業務上の重要な権限及び責任を相当程度伴う地位にある者
・業務遂行の手段及び時間配分の決定等に関し使用者が具体的な指示をしないこととする者
・年収が相当程度高い者ということで、年収用件については厚生労働省が定めることとされていますが、管理職の一歩手前に位置するものが想定されることから、年収900万円くらいになり、中小零細企業にとってはこの要件はほとんどクリアできず、従ってザル法となります。

(4)労使委員会は、次に掲げる事項について決議しなければなりません。
・対象労働者の範囲
・賃金の決定、計算、支払方法
・週休2日相当以上の休日の確保及びあらかじめ休日を特定すること
・労働時間の状況の把握及びそれに応じた健康・福祉確保措置の実施
 週40時間を超える在社時間がおおむね80時間を超えた対象労働者から申出があった場合には、医師による面接指導を行うことを必ず決議する必要があります。
・苦情処理措置の実施
・対象労働者の同意を得ること及び不同意に対する不利益取扱いをしないこと。これについては、同意の手続きをきちんととっておかないと、後に問題を残す場合があります。
・その他厚生労働省令で定めること。

(5)対象労働者の適正な労働条件の確保を図るため、厚生労働大臣が指針を定め、使用者は対象労働者と業務内容や業務の進め方等について話し合うことを示されるようです。

(6)行政官庁は、制度の適正な運営を確保するために必要があると認めるときは、使用者に対して改善命令を出すことができるとし、改善命令に従わなかった場合には罰則を付されます。

イースリーパートナーズ社労士事務所

社労士の仕事(髪の毛最前線)

ミスターXです。

朗報です!朗報です!朗報です!

本日発表された東京医科大学の再生医療で、なんと、「歯」と「髪の毛」が0から完全に再生するのに成功したらしいです。
これは、臓器再生に光が見えたわけですが、臓器再生にはまだ期間が必要だそうですが、「髪の毛」に関しては、比較的短いスパンでできそうです。
私は、現在28歳なので遅くても43歳までには何とかして欲しいと思っております。
でも、髪の毛関連の株価はどうなるのでしょうか、少し心配しています。

とにかく、増毛も考えていた今日この頃、我慢してよかったとつくづく思っています。

これで社労士の仕事もはかどること間違いなし。

社労士と仕事でした。


労働基準法の一部を改正する法律案

社労士のFです。

「労働基準法の一部を改正する法律案要綱」について、少しまとめてみました。
3回に分けて掲載します。

1.時間外労働

(1)時間外労働の限度基準(現行1ヶ月に対して45時間、1年に対して360時間など)を定める事項に、割増賃金に関する事項が追加されます。
特別条項付き協定を締結する場合には、割増賃金率を定めなければならず、努力義務として法定を超える率を定めることとされていますが、現段階では、努力義務です。

(2)使用者は、政令で定める時間を超えて時間外労働させたときは、その超えた時間について、政令で定める率以上で計算した割増賃金を支払うこととされています。
ただし、中小企業等の企業の経営環境の実態や労働者の健康確保の観点から政令で定める時間や率は定められることから、全企業に一律に時間及び率が決定されるかどうかは現段階では未定です。

(3)使用者は、労働組合ない場合は過半数代表者との書面による協定で、(2)の割増賃金の支払に代えて、有給の休日を与えることができるものとするということから、割増賃金及び有給の付与の選択制となります。

2.年次有給休暇
使用者は、年次有給休暇のうち5日までの日数については、労使協定により事業場における上限日数や対象労働者の範囲を定めた場合は、1時間を単位として年次有給休暇を与えることができるものとされます。これについては、いくら労働者が希望しても5日を限定とするということです。

イースリーパートナーズ社労士事務所

1ヵ月単位の変形労働時間制

Hです。

1ヵ月単位の変形労働時間制を適用し届け出られている事業所も多いと思いますが、
昨年、牛丼チェーン「すき家」にて一部の店でこの制度の不適正な運用があり、昨年11月〜全店舗で制度を廃止し一部の従業員に2年分の割増賃金のが支払われるという事がありました。
就業規則には、アルバイト従業員にも1ヵ月単位の変形労働時間制を適用することや、同制度の実施の必要な事項を定め所轄労働基準監督署に届けており制度上は適正だったのですが一部の店舗での運用が、月ごとの総所定労働時間を一律174時間で設定しており、31日の月以外は法定労働時間の総枠を超える所定労働時間を設定していたものです。
 
 1ヵ月単位の変形労働時間制は、変形期間内の所定労働時間を週平均40時間以内に収める事などを条件に、特定の日・週に法定労働時間を超える所定労働時間の設定を認める制度です。この場合の法定労働時間の総枠は31日の月は177.1時間、30日の月は171.4時間、29日の月は165.7時間、28日の月は160時間となります。

適正に届出が出来ていても実際の運用が適正でないと前述のような是正を受けることにもなりかねません。今一度自社の運用を確認してみていただく機会になればと
思います。


イースリーパートナーズ社労士事務所


 


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